今回は人財確保施策の一環である、「高齢者雇用」について、考察します。
皆さんの職場、同じチームに、60歳定年後、継続して仕事をされている方、65歳以上の方、はどれくらいいらっしゃるでしょうか?また70歳を超えてなお現役続行中に方についてはいかがでしょうか?
今や「自分の周囲には高齢者は全くいない」という環境の方の方が少ないのではないでしょうか?
少子高齢化に伴い、60歳定年で完全に働くことから引退するケースはもはや珍しいです。
2030年の就業人口構成の予測では、15~64歳(現役世代)58%に対し、65歳以上(高齢者層)32%になり、以降この比率の差は縮小していくと予測されています。
企業の高齢者雇用の対応として、多くは60歳定年後65歳まで継続雇用制度(または再雇用制度)で実質、5年間継続雇用しています。またこれまで労使協定により、雇用継続対象者を限定することが可能でしたが、協定も2025年3月31日で廃止になり、4月1日以降企業は
・ 65歳までの定年の引き上げ
・ 希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入(対象者を限定することの禁止)
・ 定年の廃止
上記のいずれかの施策を講じることが義務づけられます。
(※以下、60歳以上で就業されている方を総じて「高齢者」と記します)
働き手不足の昨今、高齢者なくして業務がなりたない企業や職場は増加傾向にあります。この現状を踏まえると個別対応のオンパレードは雇用管理上限界があります。逆に高齢者層をひとまとめのグループとして一律のルールで雇用管理することは高齢者個々人の能力を活かしきれない可能性があります。
これらのことから、企業の経済活動を低下させない、むしろ向上させていくために高齢者に活躍の機会や場を提供して、積極的に貢献する(できる)制度を設計することが肝要であると考えます。
今後は高齢者を要員計画の中で重要な戦力と位置づけ、自己啓発の場を提供する、個々の知識やスキルを十分発揮してもらう、それに基づいて評価する、といった高齢者対象人事制度の構築が必要です。
そこで、高齢者が企業にとって継続して戦力として活躍して頂くため、制度構築を含め企業が取り組むべき4つの施策を以下にまとめます。(参考:2021年2月発行 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 「70歳雇用推進マニュアル」)

■働くことへのモチベーションを持つ仕組みづくりや適度な配慮
・やりがいのある役割、仕事を分担
➡「会社業績に貢献している」という意識づくり
・多様性に応じた働き方の雇用形態メニューを用意
➡定年以前と変わらないバリバリ型、定年以前から軽減した
ゆっくりムリなく型、
など週毎の就労日、1日の就労時間、就労時間帯など
バリエーションのある労働条件
・モチベーション向上のしかけ
➡基準が明確な評価制度と報酬制度の構築
・心身に負担のかからない職場環境づくり
➡作業スピード、重量、業務中の移動距離、文字の大きさ、
音の大きさなど、安全性や心身への負荷を適度に配慮
■高齢者自身への動機づけ
・体力や集中力など自身の変化を自覚してもらう
・会社から期待されること、求められる役割を新ためて認識してもらう
➡自身の強みの再認識
・リスキリング(学び直し)の場の提供
➡補強ポイントの認識
■事例づくりと情報収集
・活躍するロールモデルの育成
・ロールモデルの存在価値や成果を社内で共有
■社内全体の意識啓発
・すべての世代の従業員と高齢者とのコミュニケーション促進(相互理解)
・高齢者を知識や熟練スキルを教えてくれる相手としてリスペクトする

現状、多くの企業で実施されていると思われる、
・定年後、一定の期間を義務的に期間雇用
・主に補助業務担当・評価制度なし、昇給なし、などの変化が
期待できない給与制度を適用
・教育訓練なし(自身の向上や研鑽をもとめない)など
の一律の雇用管理を見直し、多様性対応する、高齢者には能力向上と自己研鑽、成果を求めるなど、定年前の従業員と同様に高齢者雇用制度に目を向けるときがきた、といえます。
定年後の延長雇用は、「おまけ」ではなく、人財確保施策の一環として、積極的に取り組むべき施策です。定年後も戦力としてどう活かすか、活躍してもらうか、という企業方針が求められます。
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