従業員の『ウェル-ビーイング(well-being)』とは

今回は従業員のウェル‐ビーイング(well-being)の実現について考えます。「人的資本経営」は、「人財を資本と捉え、価値を最大限に引き出し、適切に運用することが企業価値の向上につながる」、という考え方であり、「企業発展のためには従業員の幸福や安定を実現することが1つの要件である」という考え方です。言い換えると、「人的資本経営」には従業員が帰属している会社や組織での仕事を通じて自己の充実感、幸福感=ウェル‐ビーイング(well-being)を実現することが不可欠であるということです。

辞書によるとウェルビーイングとは
<デジタル大辞泉>
・幸福。安寧。
・身体的・精神的・社会的に良好な状態。特に、社会福祉が充実し、満足できる生活状態にあることをいう
<デジタル知恵蔵>
現代的ソーシャルサービスの達成目標として、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念。(以下、略)
以上のように解説されています。

上記の解説の中で、会社や組織と従業員の関係におけるに「身体的・精神的・社会的に良好な状態」とは、以下の5つの要素から構成されると考えます。
1.心理的安全性の高い環境で、やりがいや働きがいを感じる
  ⇒企業理念や目標に共感する、それらが自己の役割と連動している、互いに承認する風土がある
2.キャリア形成やスキルアップの機会を通じて、自己実現ができる
  ⇒学びの機会がある、自立的キャリア形成ができる、スキルや知識が可視化されている
3.経済的に自立ができ、福利厚生が充実している
  ⇒納得性の高い評価・報酬制度が運用されている、選択肢の多い福利厚生制度がある
4.健康安全への環境が整備されている
  ⇒身体的・精神的健康に配慮されている、休暇や休業がとりやすい
5.柔軟な働き方が実現できる
  ⇒ライフワークバランスが維持できる

このことから企業に求められることは、自社に適した施策を講じることによって、従業員が会社や組織に属して仕事をすることが、幸せであると感じる状態を創出することである、といえます。その結果、従業員による企業目標達成への貢献度が増し、人財の定着率が上がり、「あの会社は働きがいがあるいい会社」という社会的価値の向上につながっていく、好循環が期待できます。

ここまで、なぜ、ウェル‐ビーイング(well-being)=充実感、幸福感 の実現が必要なのか?その効果は何か?という点について記述して参りましたが、そもそもウェル‐ビーイング(well-being)の感じ方は個々人によって異なります。また年齢やキャリア、役割(担当職務・業務)によって一様ではありません。
だからといって、個々のウェル‐ビーイング(well-being)の実現のために、過度に多種多様な制度や措置を施すことは現実的な解決策とは言い難いです。
したがって実現に向けた手順は企業の理念や方向性(どんな会社でありたいか)を定め、実行計画の立案と実行成果をはかる指標を選定し、実行施策を検証していく、という中長期的な視点で一連のプロセスを繰り返していくことが正攻法といえるでしょう。

一連のプロセスは、従業員が今、どの程度ウェル‐ビーイング(well-being)を感じているのか、それらを可視化することから始めます。そこで弊社では、
ウェル‐ビーイング(well-being)が高い状態
≒ワークエンゲージメントが高い状態
という前提にもとづき、ウェル‐ビーイング(well-being)を図る具体的な手法としてワークエンゲージメントサーベイをご提案しています。

弊社がご提案するワークエンゲージメントサーベイは、
「身体的・精神的・社会的に良好な状態」の程度をはかる項目を3カテゴリ
・職場環境や周囲との関係性
・仕事へのとりくみやキャリア向上を支援する制度や機会
・会社の方針や企業社風
に分け、各10問、計30問の質問で調査します。結果によって企業全体の特性、属性別(年代や役割、職務など)の特徴を把握することが可能です。上記は調査項目の一例です。
またこのサーベイにより、ワークエンゲージメントが高い従業員は企業理念や方針への理解と共感があり、その達成に向けて貢献しようする意欲をもち、自立性が高い状態にある、ことがわかっています。

なお実態把握後、従業員のウェル‐ビーイング(well-being)の向上にむけての行動計画は、旧来型のやり方(経営メンバーや人事メンバーが考え、従業員は実行するのみ)ではなく、経営メンバーや一部のメンバーがイニシアティブをとるものの、実行計画立案はオープン型、対話型、参加型で推進することを推奨します。このプロセスに関わることそのものが従業員にとってやりがいを感じ、ウェル‐ビーイング(well-being)の実現につながると考えます。

従業員のウェル‐ビーイング(well-being)実現にむけて、1歩進めてみませんか?

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